売り場作り ディスプレイの作り方 アパレル編③
アパレルのディスプレイの作り方最終話、
商品選びとコーディネートの仕方、そして演出備品の選び方、設置の仕方です。
ディスプレイって楽しい仕事ですが、やりすぎて商品より演出備品が目立ってしまっては本末転倒となります。
■商品選び
テーマやサブテーマが決まったら商品を選びます。ディスプレイを作る時には商品選びが一番大切です、なぜなら私たちは芸術家ではないからです。
ディスプレイはあくまでも売上をあげるための商品演出が目的です。
商品を選ぶときの多くは新商品や定番商品、おススメ商品を選ぶと思いますが、ただやみくもに商品を選んでもまとまりが無くなります。
まずルック、テイスト、スタイル、〇〇系、〇〇風、〇〇ファッションといったグルーピングで商品をまとめます、それからキーカラーを設定してコーディネートをすると統一感が出て美しいディスプレイを作ることが出来ます。
ロックテイストのコーディネート例
ルックやテイスト、スタイル、などのファッション用語は定義があいまいで、時代とともに変化しているので、細かい定義にこだわらず、こちらの想いが伝わるコーディネートをしましょう。
ともかく、このルック、テイスト、スタイルを構成するものがファッションパーツ(テイストパーツ)です。例えばロックテイストには、黒という色、スカル柄、リベットという服飾部分、レザージャケット、レザーパンツ、ブーツなどのアイテムがテイストパーツとなります。ミリタリールックでは、カーキ色、迷彩柄、ブーツやピーコートというアイテム、エポレット(肩章)やカーゴというパーツがあるとそれらしく見えてきます。
何度か登場した画像ですが、以前実施したショーウィンドウディスプレイですが、
コーディネートは「60年代風 マリンスタイル」
キーカラーは「赤、青」です。
ルックやテイスト、スタイルを揃えないとどういったシチュエーションなのか意味のわからないディスプレイになります。↓↓↓
磯釣りなのか、がっちり釣り人スタイルの横でタウンカジュアルスタイルの男性が竿を投げている・・・ありえないシチュエーションですし、この距離で同じ方向に竿を投げたら喧嘩になります。笑
■演出備品(プロップス)
テーマ、商品、キーカラーが決まったら次にプロップスを選びます。プロップス選びと使い方は重要です。ディスプレイした商品の価値を上げることもあれば、下手をすれば下げてしまう危険性があります。高級なブランド品のディスプレイに100円ショップの造花を使ったりするとその商品(ブランド)の価値を下げてしまうことになります。また、柄のある生地をテーブルに敷いて柄物の商品を展示すると商品が目立たなくなり見る気さえ失せてしまいます。
プロップスはあくまでも演出物です、商品より目立っては本末転倒となります。過剰に装飾して何が売りたいのかわからないディスプレイにならないようにしましょう。
下の写真は過剰に演出しすぎて商品が目立っていないBAD例です。
演出備品の選びかたは様々ですが、街中のディスプレイを見たり、Instagramで #windowdisplay で検索してみるとアイデアが湧いてくるのでおススメです。
■プロップス選びの参考例
春・・・各種春の花、ピンク、黄色、黄緑、新緑、クローバー、鳥、パステルカラーetc
夏・・・雲、砂浜、水色、ストライプ、流木、ヤシの木、夏フルーツ、カクテル、花火etc
秋・・・枯れ葉、白樺、ワラ、茶色、辛子色、オレンジ、ドライフラワー、本、薪etc
冬・・・雪、雪山、雪の結晶、赤、白、グリーン、スキー、スノーボード、クリスマス、お正月etc
トラベル・・・飛行機、新幹線、豪華客船、時刻表、世界時計、、南の島etc
バレンタイン・・・・ギフトボックス、メッセージカード、赤、ピンク、ハートマーク、男女のマネキンetc
■効果的な演出備品
人間工学の見地から、人の五感の中で得られる情報は視覚がおよそ87%を占めています。そしてその視覚情報のうちの80%以上が色の情報なのです。もちろんちゃんと光が当たっていればの話ですが。
長年ディスプレイに携わってきましたが、なんといっても効果的なのが「キーカラー」を活かすベース生地を使うことです。経費的もあまりかかりません。
ガンタッカーという大きなホッチキスのようなものを使い木板に生地を貼り付けて壁に取り付けたり、床に敷いたりすると注目率はあがります。
MAXのガンタッカーは安くて丈夫でおススメです。
三回にわたって解説してきたアパレルのディスプレイの作り方、皆様もぜひ挑戦してみてくださいね。