売り場作り ディスプレイの作り方 アパレル編②
前回につづき、ディスプレイの作り方の解説をいたします。
ディスプレイで大事な構成方法のバリエーションです。
■ディスプレイの基本構成
ディスプレイの基本構成は下記の三つです。
空間(ネガティブスペース)を生かしたり、グリッドラインを意識してディスプレイにメリハリをつけることが大切です。
■ トライアングル(三角構成)
ディスプレイの塊が三角形になるように配置します。
三角形は、商品だけでなく、演出物やPOPを混ぜてもいいです。グリッドラインや角度を意識することによって奥行きをもたせることが大切です。
■ リピテーション(繰り返し構成)
繰り返して同じディスプレイすることです。
同じディスプレイとは、展示している商品・什器・ディスプレイ構成要素が同じという意味です。
塊ごとに、色違いや柄違いにしてもいいです。
■ シンメトリー(左右対称構成)
ディスプレイの形や構成要素が左右対称になるように
組み立てます。
商品・什器・ディスプレイ構成要素を左右対称にします。
左右で色違いや柄違いにしてもいいです。
■リピテーションとは
リピテーションと「リピート=繰り返し」してディスプレイすることを指し、繰り返し同じもの並べることで、人の視野の中での面積を増やし、結果、存在感を大きく見せる構成方法のことです。
アパレルディスプレイにおいては「同じアイテムで色違い」「同じアイテムで型違い」、「同じ色で形違い」などをアピールしたいときに有効な手段です。その際マネキンやボディは同じポーズのものにするとより効果的に違いをアピールできます。例・・同じ形のデニムで色違い、同じ色味のデニムで型違いetc
■シンメトリーとは
シンメトリーとは「左右対称」のことで、その反対はアシンメトリー「左右非対称」です。インドのタージマハルやフランスのベルサイユ宮殿、日本の平等院鳳凰堂など美しい建築物はシンメトリーなものが多く、人は左右対称なものを美しいと感じます。ディスプレイや壁面構成においてもしばしば使われる技法で、同じ形のマネキンや什器、ディスプレイの塊をシンメトリーに配置します。
また、シンメトリーにひとつのディスプレイ自体が左右対称な「シングルシンメトリー」とシングルシンメトリー自体を左右対称に配置する「ツインシンメトリー」があります。
■シングルシンメトリーとは
真ん中のアイテムを中心に左右にアイテムを同じパターンで配置して一つの塊を作るのが「シングルシンメトリー」。左右に配置するアイテムが違えば数多くの商品を展示することが出来るので人に与える情報量は多くなりますが、インパクトは薄くなります。左右に配置するアイテムが全く同じだと美しい完全なシンメトリーとなり与えるインパクトは多くなりお客様の注目率は上がります。半面、与える情報量は少なくなります。どちらをとるかはその時々の状況で変えましょう。
■ツインシンメトリーとは
中央のディスプレイ(POPでも良い)を中心として左右に同じ形のディスプレイの塊を離して置くのが「ツインシンメトリー」です。シングルシンメトリーと同様に同じ構成で沢山の商品を配置すればお客様にみてもらう情報量は増えますがインパクトは下がります。
■構成は組み合わせることでバリエーションが広がる
今まで解説してきた三つの構成方法「トライアングル」「リピテーション」「シンメトリー」はそれらを組み合わせることによりディスプレイや壁面構成のバリエーションが増え、変化させることによってお客様に飽きられないディスプレイを作ることが出来ます。
■ウィンドーディスプレイでの構成の組み合わせ
下半身はリピート 靴箱はトライアングル構成してリピートしています
リピートされたマネキンをシンメトリーに配置しています
トライアングル構成したディスプレイをシンメトリーに構成
珍しい逆三角形のトラブルをシンメトリーに構成
■キーカラー
ディスプレイをするときに、色がバラバラだと統一感がなくインパクトが薄くなります。逆に色を絞ると遠くから見てもインパクトが増し、お客様を引き付けることができます。
まず表現したいテーマ、ルック&テイストの中心となるメインカラーを選びます。次にメインカラーを引き立てるサブカラーを選んでいきます。メインカラー1色、サブカラー2色以内にして全体のイメージを発展させ、全体で3色以内に絞り込むとイメージが引き締まりインパクトが増します。
キーカラーは「ボルドー」「黒」
キーカラーは「水色」「白」
バイクのカラーと連動させキーカラーを「白」「黒」
キーカラーは「赤」「黒」
キーカラーを設定しないと下のようにバラバラなディスプレイになりインパクトが弱まります。
では、色を合わせたらそれで良いのか?
カラーも奥が深く、赤でも薄い色、濃い色、鮮やかな色、深い色。
まさに色々です。
その説明は次回に!
最後までご覧いただきありがとうございました。