売り場作り ディスプレイの作り方 アパレル編①
売り場作り(VMD)の中でももっとも難しく、しかしやりがいがあり映えるものはやはり「ディスプレイ」作りだと思います。
せっかくディスプレイを作ってもお客様に興味を持たれないと残念です。
では、どうやったらお客様が興味を持ち、購買意欲を刺激することが出来るのでしょうか?
いくつかの法則を押さえながら「反復練習」すれば必ずディスプレイ作りは上手くなれます。数回にわけて解説していきたいと思います。
■ディスプレイの6要素
以下の6つがディスプレイの6要素となります。これを意識してディスプレイを作るとお客様がつい入店したくなるようなディスプレイを作ることが出来ます。
ひとつひとつ解説していきたいと思います。
■ディスプレイテーマの設定
ディスプレイを作るときには他人が見て「ああ、〇〇〇〇〇のディスプレイかぁ」と、伝わるようなテーマ設定が必要です、そうでなければただ「自分の好きなものを置いた」で終わってしまいます。テーマを設定することにより、お客様が見ていて楽しくワクワクし、つい入店したくなるようなディスプレイになります。
テーマは季節やイベント、キャンペーン、新商品発売などから選んでいきます、テーマやサブテーマを決めたらディスプレイしたい商品を選び、キーカラーを設定しその商品を引き立たせる演出備品、什器などを選んでいき、構成を考えていきます。
ディスプレイテーマは”クリスマス”
■サブテーマ
サブテーマは必ずしも必要ではありませんが、テーマをミックスすることで奥行きを出すことが出来ます。ディスプレイする場所が複数個所ある場合に有効です。
例えば メインテーマがクリスマスでサブテーマはカジュアルギフトとする。そこから連想される商品を選びます、マフラー、手袋、ニットキャップなどの防寒系雑貨など。演出備品はカジュアルクリスマスを連想させる色である赤、緑色の生地、同じく連想させるツリーやリースなど、そしてプレゼントを意識するようにギフトラッピングされたボックスを配置すると出来上がります。
■サブテーマを設けてバリエーションを増やした例(バイクディーラー)
メインテーマが「バイクのニューモデル強化」ディスプレイとし、サブテーマはツーリングとタウンユースする。そこから連想されるツーリングに向いている大排気量の車両を選びます。アパレル商品はツーリングシーンを意識したコーディネートをしてマネキンに着せこみ配置し、ツーリングシーンのグラフィックの前にディスプレイを作りました。
これで「この二人は今からツーリングに出かけるなだな」と連想させるディスプレイが出来ました。
もう一方のサブテーマ「タウンユース」のディスプレイは、ライトモデルの車両を選び、商品はタウンカジュアルをコーディネートし、女性マネキンを配置してシート高を低くすることが出来るサスペンションやシートを車両に取り付け、女性でも気軽に乗ることが出来るディスプレイを作り別のシーンを連想させるディスプレイを作ることにより、車両のバリエーションをアピールすることが出来ます
■ディスプレイの基本構成
6つの要素の中間を少しとばしてディスプレイの基本構成の解説です。なぜなら商品を選んだり、キーカラーを決めたり、演出備品を選ぶときには頭のなかでぼんやりと構成を意識すると最終形態が決めやすくなるからです。
基本的なディスプレイの構成は空間(ネガティブスペース)を生かしたり、グリッドラインを意識してディスプレイにメリハリをつけることが大切です
構成方法は「トライアングル」「リピテーション」「シンメトリー」と大きく三つあります。今回はディスプレイにおける構成で基本であり、一番難しい三角構成まで解説いたします。
●トライアングル・・・・三角構成とは
三角構成とは、ディスプレイするときに背の高いものを頂点とし、段を作るなどして三角形になるように集積して構成することです。なぜ三角形に配置すると人はバランスよく感じるのかはわかりません。一節には、太古から山を見てきたから・・・・とか、重力があるから・・・・と言われますがとにかく人は三角形が好きなのです。これは万国変わりません。
また、上から見ても三角形になるように作ります。その際、中心線を少しずつずらすと正面から見たときに奥行きを感じるようになります。
●ポイント
配置はバランスよく重ねて構成するのが基本です。正三角形でなくても構いません、二等辺三角形や直角三角形でも構いません、また逆三角形でも構いません。
正三角形
■マルチトライアングル
三角構成されたディスプレイを複合的に配置し、大きな三角形をつくることで、ディスプレイのボリュームや奥行きを出します。上から見ても三角形に作ります。ショーウィンドウのようなマネキンや什器、演出備品を使う大きなディスプレイから、コスメや時計のような小さい商品を集積する卓上の小さなディスプレイまで応用できます。
このように三角構成を組み合わせると大きなディスプレイを作ることができます。三角構成は練習することで上手くなるので何回も挑戦してみてください。
次回は他の構成方法、「リピテーション」と「シンメトリー」を解説します。