道の駅や直売所の売り場作り
こんにちはVMD中村雷太です。
■道の駅にもいよいよVMDが導入されます。
宮崎県日之影町にある「道の駅青雲橋」がゴールデンウィーク中だけ仮オープンして、その後一旦閉店し検証して、夏にリニューアルオープンするのですが、VMDを導入することになりました。
■店舗によって見せ方は変わる
百貨店と道の駅では、VMDの手法も変えなければなりませんよね。
整理整頓され、見た目が美しさを求められる百貨店やブランドショップ。
品揃え豊富感、宝探し感を求められる道の駅や産地直送店、ビレッジバンガードや古着屋さん。
どちらかと言えば後者の方が難しいです、ボリュームだけがあれば良い訳でなくボリュームを持たせながら分かりやすい売場作り。
パート、バイトの方でも維持出来るマニュアルやルールブックが必要になります。
■ボリューム陳列、圧縮陳列の手法
商品がカゴに埋もれてしまうと、ボリューム感が出ません。
上げ底をしてあげると…同じ量でもボリュームアップ!!
紙などで底上げします
こちらのほうが、見栄えしますよね。
■道の駅、直売所に適したディスプレイや商品陳列は??
道の駅VMDコンサルタントの事を考えていて、ふと、ある直売所の事を思い出しました。
とある場所に直売所があり、地元野菜や豆腐などの加工食品を販売したり、おぼろ豆腐やおでん、鶏めしなどが食べられる食堂があり週末は警備員が立つほど繁盛していました。
店内は舗装されておらず、建物も綺麗ではありませんでしたが賑わっていました。
それがある時に改装したのです。
地面はコンクリートで固められ、建物も綺麗。
しかし、普通のスーパーのようになり地元感は無くなってしまいました。
以前のように賑わう事はなくなりました。
やはり、直売所や道の駅などはボリュームと地元感がないとダメなようです。
■まとめ
わざわざ郊外にある直売所には、非日常性が必要ということになります。日常にあるスーパーではダメなのです。
旅行に行くと財布の紐が緩んでしまいませんか?非日常だから財布の紐が緩むという事ですね。
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売り場作り ディスプレイの作り方 ④買上率と商品単価 VMD
■売上を上げる売り場作りの手法 買上率 商品単価
覚えておきたい、いつもの数式です。
売上=客数×客単価・・・数式Ⅰ
客単価=導線長×立寄率×視認率×買上率×購買点数×商品単価・・・数式Ⅱ
今回は、残り最後の買上率と商品単価に焦点を当ててみます。
■買上率とは?
買上率とはお客様が商品を手に取って買ってももらえる確率のことです。これには、商品のパッケージのデザインやCM、チラシと商品のプロモーションの連動が重要になります。
なのでVMDに求められるのはPOPやプライスカードの書き方が重要になります。
POPの書き方やルール作りは一言では語れないので、またPOP編で紹介しますね。
■商品単価とは?
商品単価とはまさしく、商品一個の値段のことです。ショップやブランドによって商品単価はそれぞれですが、お客様にとっては「その商品の値段は払う価値があるのか」と納得できるかどうかです。
ショッピングセンターで雑多に並べられたバッグが10万円だと驚いてお金を払う人はいませんが、グッチやプラダのショップだと驚きません。
いわゆる「ブランド力」というものです。
下の二つの売り場は、同じ商品を取り扱っていますが、どちらのほうが商品単価が高く見えますか?
■まとめ
何億円もかけてCMや雑誌掲載で広告しても、かっこいいホームページ作っても売り場がそのイメージに連動していないと商品価値は下がります。
VMDは売り場のブランディングをするということですね。
お客様にPOPの説明で興味をもってもらい手に取ってもらう。
↓
その商品の値段は払う価値がある売り場にする。
この流れを作りましょう。
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売上をあげる売り場作りの手法 ③視認率
■売上をあげる売り場作りの手法③
覚えておきたい、いつもの数式です。
売上=客数×客単価・・・数式Ⅰ
客単価=導線長×立寄率×視認率×買上率×購買点数×商品単価・・・数式Ⅱ
今回は、視認率に焦点を当ててみます。
■視認率とは?
視認率とは言葉どおり、お客様が見る(視認)確率のことです。目に入らない商品を買う人はいませんし買えません。
せっかく丁寧に陳列してもお客様の視界に入らなければもったいないですよね。
下のハンカチ売り場の写真をご覧下さい。
〇で囲っている棚は暗くてよく見えていませんでした。一番下の棚部分に関してはもはや何なのかさっぱり分かりません。
修正後
思い切って最下段での販売を諦めて、棚を二段構成にして棚の間隔を広くして照明が当たるようにしました。さらに什器の上にバーを吊るしてそこにハンカチをディスプレイして遠くからでもハンカチコーナーがあることが視認できるようにしました。
■コンビニやスーパーでの取り組み「前だし陳列」
コンビニやスーパーなどでは、朝、昼、夕方のタイミングで商品を一番手前に持ってきて視認性をあげる前だし陳列を行っています。
この風景は見覚えがあると思います。
どんなに商品が少なくなっても一番前に商品を置いて視認率を上げています。
■陳列方法も大切
カゴになにかの商品が横向きに詰め込まれています、もはや見る気分にもならないのではないでしょうか?
■まとめ
商品が見えない=商品が無い という事です。
お客様の視界に入るように陳列を気をつけてみてくださいね。また、商品を陳列する際にどういった什器で陳列すればその商品が良く見えるのかを考えるといいでしょう。
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売上をあげる売り場作りの手法 ②マグネット
■売上をあげる売り場作りの手法②
売上を確保するために、覚えておきたいインストアマーチャンダイジングの数式
売上=客数×客単価・・・数式Ⅰ
客単価=導線長×立寄率×視認率×買上率×購買点数×商品単価・・・数式Ⅱ
この数式の中で以前、VMDって何?コンビニ編でもとりあげた「導線長」。これを伸ばせばなぜ売上が上がるを解説いたしました。
ではどうやってお客様の回遊導線を伸ばせばいいのでしょうか?
■マグネットポイント
マグネットポイントとは、数式の立寄率の部分になります。お客様が興味をそそられ、まさに「磁石のように吸い付ける場所」のことです。どういった場所がマグネットになるかというと・・・
①興味を引くディスプレイ(MDP)を設置して視認性をあげる。
棚上のスキー板などで作ったディスプレイで「ここにチャンピオンのカジュアルウェアがある」ということを遠くからでも認識できます。
他にも、大きなオブジェやポスターなどのグラフィックやモニターなど商品以外の物を使って目立たせる場合もありますが、お金がかかるのが難点です。
②人気商品や新商品、セール品など商品(MD)を集めて視認率をあげる
色が綺麗で値段的にも手軽なシャツを集約して視認性をあげる。
商品の色を集約して視認率を高める(カラーライゼーション)
③SD(ショップデザイン)で視認性をあげる
しかしこれは、施工レベルの問題なので手軽には出来ません。
什器の色や天井、床、壁のグラフィックなど商品やディスプレイ以外で視認性をあげる。
照明の明暗で目立たせる。アバクロやマウジー、美術館や博物館でよく使われるテクニックです。
④試食、試飲、試聴などお試しコーナー(EP)で視認性をあげる。
スーパーマーケットではよく通路の角に試食コーナーを作っていますよね。
⑤イベントで視認性をあげる。
VMD以外にもイベントの仕事もさせていただいてるのですが、店頭でモデルが立ち、音とと照明があたると人が集まってきます。目的は数箇所でイベントをすることによってお客様の回遊導線を長くするためなので、これもVMD活動の一環となっています。
■マグネットを作るべき場所は?
赤丸部分がマグネットポイントに適しています、何故かというと、お客様に
店内をなるべく長い距離を回遊していただいた方が目に入る商品が多くなるのでマグネットポイントは通路の先の壁面や什器エンドなどに作ると効果的です。
■まとめ
イベントや施工、什器交換などは費用がかかるので事前に計画をたて実施せねばなりません。ディスプレイや陳列ならあまり費用はかからないので手軽な方法ではないでしょうか?
IKEAやフライングタイガーなど北欧系のショップは店内を一周しないと出口にたどり着かない強制導線を使っていますが、所々にあるディスプレイや陳列が魅力的なので苦痛にはなりません、参考にしてみてはいかがでしょうか?
売上をあげる売り場作りの手法 ①関連性
■売上をあげる売り場作りの手法①
こんにちは、VMD中村雷太です。
ディスプレイ編から次は商品の陳列の仕方や陳列場所、什器配置などで売上をあげる売り場作りの手法を紹介します。
インストアマーチャンダイジングの公式で下記の数式があります。
売上=客数×客単価・・・数式Ⅰ
客単価=導線長×立寄率×視認率×買上率×購買点数×商品単価・・・数式Ⅱ
この数式は記憶の片隅に置いてくださいね。今回は購買点数に着目します。
■人手不足を解消する手法の一つがVMD
人手不足や、売上が伸びないという声をよく耳にします。
理由として、人口減少、競合店の増加、販売チャネルの多様化 が挙げられます。
では、どうしたら売上を伸ばせるか?
客数は下がっているから、客単価を上げるしかない。
つまり、一人当たりの購買点数を増やすしかありません。*1
では、購買点数を増やす手段は・・・
①関連購買を増やして客単価アップ
ただオリーブオイルを並べるよりも関連商材(パスタやバゲット)を一緒に展示して、「あ、オリーブオイルを買うならついでにパスタかバゲットも買おうかな」と思わせて、試食コーナーを作る。
これで購買点数を増やす可能性が増します。
②POPで関連商品をアピール
POPでワインとチーズを一緒に食べる事の効用を書いて、「あ、ワインを買うならついでにチーズも買っちゃおうかな」とアピールし関連購買に結びつけます。
③ついで買いを増やす(非計画購買)
よく見かけるレジ近くの低単価商材の陳列でついで買い(非計画購買)をアピール
写真はH&Mのレジ風景です。
スーパーマーケットではおなじみのこの風景、ちゃんと大人の目線のゴールデンゾーンには大人向けの商品、子供の目線には子供が欲しがる商品を陳列してついで買いを誘発するようにしています。
■まとめ
まさにVMDとは「物言わぬ接客」で、人手不足、人口減少に対応する手段といえます。
*1:自店の平均単価は変えないものとする
傘コーナーの売り場作り
■傘コーナー売り場作り
こんにちは、中村雷太です。
さわやかな初夏がつづいていますが、気温が30度を超える日もでてきました、UV商戦まっさかりですね。
日傘(晴雨兼用)コーナーを作りましたので紹介します。
■視認性をあげる、夏のイメージをつける
このテーブルで日傘コーナーをつくります。
遠くからでもアピール出来るように生地を敷きます。
ストライプ柄の生地を選び、夏のイメージを出します。
■どう展示すれば、商品が良く見えるか
どんな商品でも、どう陳列すればもっとも良く見えるかを考えて什器を選びます。
今回は折りたたみの日傘が中心で、カバーの柄がそのまま傘の柄と連動している商品なので、フックにかけて側面のデザインを見せるようにしたほうが良さそうです。
テーブルの上に80cm幅のスチール卓上什器を設置しました。バーをつければフッキングできる便利什器です。
ストアエキスプレスさんで購入できます。
https://www.store-express.com/CGI/shopping/product_detail.cgi?ctg_cd=010046001&unit_id=61-436-83
■演出小物は・・・
虹をイメージして演出小物はアンティークガラスボトルを配置しました。
倒れて割れないように両面テープで固定しています。
下段にもテーブルを設置し、同じくストライプの生地を敷いて視認性をあげます。
■PP(ポイント オブ セールスプレゼンテーション)を作る
最後に天井から傘を吊ってさらに遠くからの視認性を上げて、傘売り場であることを認識率をあげます。
掛けきれない商品は同じ種類のカゴに入れてごちゃごちゃしないようにして完成です。
■BADサンプル
こうならないように注意してください。
むかーーーーーーし、私が作った売り場です。ダメダメですね。(笑)
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売り場作り ディスプレイの作り方④
■ディスプレイの作り方④
こんにちは、VMD中村雷太です。
基本的なディスプレイの6要素を解説してきました。その中でも練習が必要な「構成」ですが、3つの構成を覚えるとディスプレイのバリエーションが増えるので紹介したいと思います。
■構成を組み合わせる
ディスプレイの6要素の1つ「構成」ですが、シンメトリー、リピート、トライアングルの3つの構成方法をマスターすると組み合わせることが出来るようになりディスプレイの幅が広がります。
■シンメトリーとリピートを組み合わせる
同じポーズのマネキンでリピートを作り、中央のバナーを中心にシンメトリー構成
■シンメトリーとトライアングルを組み合わせる
中央のオブジェやマネキンの構成はトライアングル、それらをシンメトリー構成
トライアングルで構成したディスプレイをシンメトリーに配置
■リピートとトライアングルを組み合わせる
下半身マネキンをリピートで構成、間のオブジェはトライアングルで構成
白と黒の雑貨でトライアングル構成しリピートせさる
珍しいパターン、トライアングル構成と逆三角形のトライアングルをリピート
■すべてを組み合わせるパターン
マネキンの配置はリピート、中央のオブジェはトライアングル、それを中心にシンメトリー構成。
■ディスプレイでなく壁面陳列にも使えます
中央のディスプレイはシンメトリー、左右のディスプレイはトライアングル、バッグーやラックの構成はリピート陳列。
■まとめ
3つの構成方法をマスターすると、ディスプレイだけでなく商品陳列にも応用できます。また、家のインテリアの配置などにも応用できるので、色々試してみてください。
BEFORE
AFTER シンメトリーに構成しなおしました
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売り場作り ディスプレイの作り方③
■ディスプレイの作り方③
こんにちは、VMD中村雷太です。
前回までにディスプレイの6要素のうち5つを紹介しましたが、今日は最後のひとつ
「構成」について説明いたします。
■ディスプレイにおける3つの基本構成
ディスプレイを作るさいに覚えておきたい構成方法は大きく、①シンメトリー ②リピート ③トライアングル の3つにわけられます。
これらを組み合わせることにより、ディスプレイの幅が広がりますので、是非覚えましょう。
①シンメトリー(左右対象)
ディスプレイの構成を左右対象に配置する構成方法です。人間は左右対象を美しいと感じます、多くの歴史的建築物が左右対象に作られています。
タージマハル
ディスプレイの例だと以下のような構成になります。
中心のタペストリーを中心に左右対象の構成で、比較的簡単な構成方法です。
②リピート(繰り返し)
ディスプレイをリズムよく、均等に配置する方法です。同じ色で型違い、同じ型で色違いなどを表現する際に効果的です。
注意点としては、ディスプレイの塊の形やマネキンの形はなるべく同じものにしたほうが、美しくなります。
リピート配置されたマネキン、同じポーズで型違いや色違いをアピール。
③トライアングル(三角構成)
ディスプレイの塊を三角形になるように、配置する構成です。
諸説ありますが*1人は三角形を好みます。
三角構成の注意点は、横から見ても上から見ても三角形になるように配置するという事です。
こちらは以前、生徒さんにしていただいたディスプレイですが、うまく三角形になっていません。
修正後がこちら
横からみても・・
上からみても三角形の構成です。
三角構成は、結構練習が必要なので身近にあるもの(瓶や箱など)で練習してください。
■まとめ
人はある一定のリズムとバランスを好みます。黄金比(1:1.618)などがその典型です。
よって、これらの法則を理解してディスプレイすると人が注目する確率があがります。
次回はこの構成を組み合わせる方法を説明いたします。
次の記事 https://aisleinter.hatenablog.com/entry/2019/05/24/103000
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*1:山を見ているから、木の形が三角だから、重力があるからetc
売り場作り ディスプレイの作り方②
■ディスプレイの作り方②
こんにちは、VMD中村雷太です。
ディスプレイを作るにあたって大切な6要素、①テーマ②サブテーマ③商品④キーカラー⑤ディスプレイ備品⑥構成。
2つのディスプレイを見比べてひとつひとつ解説していきます。
■メインテーマとサブテーマ
メインテーマ、これが無いと話になりません、2つの写真のディスプレイのメインテーマは「クリスマス」です。
サブテーマ、これは無くても大丈夫なのですが、設定することによりディスプレイのバリエーションを増やすことができます。
上の写真のディスプレイのサブテーマは「レディスクリスマスファッション」です。
下の写真のディスプレイのサブテーマは「メンズクリスマスファッション」です。
この店舗は二つ大きなウィンドウがあったのでサブテーマを分けることによってバリエーションを増やしました。
■商品
私たちVMDはこれを一番大事にしています、私たちは芸術家ではないからです。あくまでも売上をあげるための商品演出が目的です。
両方のディスプレイも「コートやジャケットなどの重衣料」を打ち出して購買意欲をそそるように演出しています。
■キーカラー
上のディスプレイは「白、シルバー」コーディネートも白系にしています、下のは「赤、黒」で、赤の中に黒のコーディネートを組み込んでメンズらしく引き締めています。
■ディスプレイ備品、什器
上のディスプレイは「白スパークハーフ布」「白モヘア布」「白、シルバーツリー」「ミラーボール」を使ってホワイトクリスマスを演出。
下のは「赤ツリー」「赤絨毯」「額」「シャンデリア」「ギフトボックス」などでインハウスクリスマスを演出。
最後の【構成】ですが、これはちょっと難しく、長くなるのでまた次回に解説しますね。
次の記事 https://aisleinter.hatenablog.com/entry/2019/05/22/121207
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売り場作り ディスプレイの作り方①
■ディスプレイの作り方
■ディスプレイの6要素
●メインテーマ
●サブテーマ
テーマを深堀りして、ディスプレイのバリエーションを増やすことができます。
無くても構いません。
●商品
これが最も大事で、ディスプレイの主役である打ち出し商品を決めて引き立つようにします。
●キーカラー
商品の色、ディスプレイ用品の色が多すぎると遠目から見て濁色になりごちゃごちゃして見えます。キーカラーは3色以内に絞ります。
●ディスプレイ備品
ディスプレイテーマを演出する小物や高さを出す什器を選びます。
ただし、装飾が過剰になりすぎて商品が埋もれてしまっては本末転倒なので注意します。
●構成
シンメトリー(左右対象) リピート(繰り返し) トライアングル(三角構成)といったディスプレイの基本を意識して構成します。
導線長 なるべく多くの商品が視界に入ると売上があがる
■VMDってなに?第四弾
こんにちは、VMD中村雷太です。
身近に存在しているVMDテクニックコンビニ編ですが、今回で最後です。今回は導線(動線)のお話です。導線とはお客様の歩く通路のことです。
■ISM(イズム)の法則
ISMとは、イン ストア マーチャンダイジングの略で「小売店頭で市場の要求に合致した商品および商品構成を最も効率的で効果的な方法によって消費者に提示することによって生産性を最大化する活動」*1なのですが、
大事なのは公式で
客単価=導線長×立寄率×視認率×買上率×買上個数×商品単価
です。
簡単に言うと、お客様にはなるべく店内をぐるぐる回って目にする商品を増やしてもらうと購買の確率が上がるということです。
赤〇で囲んだところにある商品が売れることはありません、なぜなら視界に入っていないからです。
■コンビニで導線長をのばす仕組み
コンビニでは、売上の70%近くが飲食品なので、まずは正面の食品コーナーへ向かいます、飲料を一緒に買い、レジに向かうだけでもぐるっと一周してしまいます。
飲料を先に買ったとしてもぐるりと回らざるを得ません。
■導線を伸ばすと、ついで買いを促進する
レジに向かう途中にこんなのがあると、おやつとしてつい買ったことありませんか?
そしてレジで並んでいるとガムやフリスクなどが目に入り、食後のことを考えてついで買いしたことありませんか?
■まとめ
お客様の歩くながさ(導線)を伸ばすと売上アップにつながります。
導線長を伸ばす取り組みは百貨店やショッピングセンターをはじめ様々な小売業に取り入れられています。
それらに比べて小さいコンビニでも導線長を伸ばす取り組みをしています。
他にもコンビニでは様々な取り組みがなされていますが、コンビニシリーズはこれにて一旦終了します。
いかがでしたか?私たちは身近にVMDに触れているのです。
次回からは、VMD業務の花形「ディスプレイテクニック」について書いていきますね、私も大好きです。Instagramで#vmd や #visualmerchandise で検索するとほとんどがディスプレイの写真です。やはり商品陳列やPOPの写真よりも映えるからでしょう。
最後までご覧いただきありがとうございます。
*1:インストアマーチャンダイジングがわかる、できる。田島義博著 ビジネス社
売り場作り に必須の知識 ゴールデンゾーン シルバーゾーン
■VMDって何?第三弾
コンビニエンスストアを例にVMDテクニックを紹介していますが、今回はこれまた聞きなれない言葉「ゴールデンゾーン」の解説ですが人間工学を意識した売り場作りで、すでに皆さんもほぼ毎日経験しています。
■ゴールデンゾーンとは?
ゴールデンゾーンとは、人間のもっとも見やすい高さのことで、売上が一番に高まる場所のことです。
私たち人間の目線は20度前後下がったところが一番見やすく視線が集中しています。
ゴールデンゾーンの定義は人によって様々ですが、私は、ゴールデンゾーンの次に視界に入りやすい高さをシルバーゾーンと定義しています。
●男性のゴールデンゾーン
平均身長が、170cmくらいなので、男性は床から130cm~160cmがゴールデンゾーン。70cmから130cmがシルバーゾーン。
●女性のゴールデンゾーン
平均身長が、160cmくらいなので、120cm~150cmがゴールデンゾーンとなります。60cmから120cmがシルバーゾーン。
お菓子のコーナーを確認すると、コンビニの場合は60cmから160cmくらいに「大人に売りたい商品」を陳列しています。
中でも最も売りたい商品をゴールデンゾーンに陳列しています。
しかし、コンビニには60cm以下の部分にも商品は陳列されています。よく見てみると・・・・
子供の好きそうなお菓子が陳列されています。
そう、子供のゴールデンゾーンに陳列されています。
●子供の場合は80cm以下の場所がゴールデンゾーンとなります。
今度コンビニに行ったときにお菓子コーナーを見てくださいね。
■什器によって変わるゴールデンゾーン
また、ゴールデンゾーンは什器の形状によっては変わってきます、コンビニのお弁当コーナーやスーパーのL型什器では、下段もゴールデンゾーンになります。
■まとめ
男性、女性、子供によってゴールデンゾーンの高さは違います。売りたい商品はゴールデンゾーン、アピールしなくても売れる定番商品はシルバーゾーンと意識して商品を並べたり、ディスプレイの高さを変えてみてはいかがでしょうか。
■おまけ
人間の視界の上下だけ書いてきましたが、横幅の視界の広さというものがあります、商品の前に立つとき、だいたい幅90cmくらいが横視界なのでコンビニの什器の横幅は90cmと決められています。
次回はコンビニ編最終話「導線、ついで買い」です。
最後までご覧いただきありがとうございます。
スイングスペース 売場に変化を与える場所
こんにちは、VMD中村雷太です。
■VMDってなに?第二弾
みなさんも、日々VMDを体験している場所、コンビニエンスストア。
前回は、まずお店に入りやすくする心理学を応用したVMDテクニックを紹介しました、今回はお店に入ってすぐにある場所「スイングスペース」の紹介です。
■スイングスペースとは?
スイング=振る、動く、一定しない スペース=場所
つまり「変化する場所」のことで、コンビニでいえば、入ってすぐのこの場所のことです。
何故そのような場所を作るのか?
答えは簡単「お客様を飽きさせないため」です。
人間って飽きっぽいんです、変化を好みます。
新商品プロモーションしたり、協賛映画と連動させて変化させています、夏は花火や虫除けを展開したりしています。
■スイングスペースはスーパーにも
スイングスペースを取り入れている代表的な業態が、スーパーマーケット。
大半のスーパーがメイン入口から野菜コーナーから始まります。
お客様が入口から入ってきた時に、まず目に入ってくるのが
「野菜や果物の、新鮮さや鮮やかな色」です。
これを見ることによりお客様は「色や鮮度」により「購買意欲」が高まります。
また、野菜や果物というアイテムにより、「季節感」や「旬の品揃え」を見せることで、毎日来ても飽きられにくくしています。
■様々な売り場で設定されているスイングスペース
コンビニやスーパー以外にも、インテリアショップやショッピングモールなどでもスイングスペースは存在しています。
↑夏のインテリア提案のスイングスペース
↑バレンタインやピクニック提案をしているスイングスペース。
物販だけでなく、飲食店は日替わりメニューや夏限定、冬限定メニューなどを作ることで飽きられないような取り組みをしていますよね。
■まとめ
つまり、スイングスペースの役割とは・・・
「お客様に飽きられないよう変化させて新鮮さを演出する場所」
をつくり、再来店 リピーターを増やす役割があります。
近年、小売店は「競合の増加」「販売チャネルの多様化」「人口減少」などの原因から新規客を常に増えし続けることは困難になっています。
リピーターを増やすことで客数減に対応しましょう。スイングスペース、是非取り入れてみてください。
最後までご覧いただきありがとうございます。
VMD 「ビジュアルマーチャンダイジング」とは???
■VMD(VISUAL MERCHANDISING)とは?
VMDとは VISUAL MERCHANDISING ビジュアルマーチャンダイジングの略です。
VISUAL「視覚的に」 MERCHANDISING「売り場作り」をすることですが、最近では、BGMといった「聴覚」店内フレグランスの「嗅覚」試食などの「味覚」素材の質感を伝える「触覚」など他の五感にも訴える手法も使うようになりました。
また「人の心に訴えるPOPの書き方」などは心理学をとりいれたり、「人の見やすい高さや照明の明るさ」といった人間工学も取り入れています。
なんだか難しそうな名前ですが、みなさんも日々 無意識に体験しています。
■VMDは身近にある
わたしは、VMD「ビジュアルマーチャンダイジング」という理論に基づいた、売り場作りのお手伝いをするというコンサルティング業務をしています。
みなさんも普段、デパート、ショッピングモール、スーパー、コンビニなどで買い物をしているはずです。
コンビニがおにぎりゃ弁当のコーナーを何故あの場所に設定しているのか?飲料コーナーの場所、ミンティアやガムの場所が何故あの場所に設定されているのか…
日焼けするのに雑誌コーナーが窓際に設定されているのか?
すべて理由があります。
↑一般的な路面店コンビニのレイアウト
■心理学を活用したVMDテクニック
では、コンビニを例にとって無意識に体験しているVMDのテクニックを紹介します。
まず先ほど述べた「何故日焼けするのに雑誌コーナーを店頭に配置しているのか?」を解説します。
誰も入っていない店ってなんとなく入りづらいですよね。
そこで、雑誌コーナーを店頭に設定し立ち読み客を立たせることによって「人が入っている」ことを視覚に訴え、人の心理に訴えかけ、安心感を与えて入店を促進しているのです。
しかし、最近ではコンビニの認知度はあがり入店のハードルは下がっているので雑誌コーナーは縮小してイートインコーナーが出来たり、立ち読み禁止が増えています。
つまり
「人が入っていると安心して入りやすくなる」
さらに言えば
「人がたくさん入っていると気になって入りたくなる」
これは心理学では(よく似た他者の社会的証明)*1と言われています。
この深層心理を悪用しているのが「さくら」で、オープン初日にさくらを雇って行列をつくり、あたかも人気店のように装うようなことです。
「行列が出来ている店は気になる」
「人が指さしていると気になってみてしまう」
これらも同じ人間の心理です。
■まとめ
つまり、入口付近に人がたまるような仕掛けを作ると入店促進につながります。
例
● 試飲、試食コーナーを作り、人だかりを作る
参考写真 KALDI
● 興味を引くようなディスプレイやオブジェのどを設置する。
ショーウィンドーディスプレイ
● 店内の掃除は営業前が必須だが、人が見える店外は営業中でもアピールになる。
などがあります。
今回はここまで…
次はスイングスペースという、なんだかまた難しそうな概念…に思えて普段から接している場所の解説をいたします。
最後までご覧いただきありがとうございます。